「先生の話、ちゃんと聞いてた?」と何度も声をかけてしまう。教室で指示が通らず、いつも一拍遅れてしまう。そんなお子さんの様子に、心を痛めている保護者・支援者の方は多いのではないでしょうか。
「聞いていない」のではなく、「聞いた言葉を行動に変換するのが難しい」お子さんがいます。耳から入った情報を頭の中で整理して、自分の体を動かすところまでつなげる――この一連の流れは、実はとても複雑な処理を必要とします。特に指示が長くなったり、条件が含まれたりすると、途中で混乱してしまうこともあります。
今回ご紹介する「きいて うごこう」プリントは、先生のセリフを読んで、正しい行動を選んだり順番を考えたりする練習プリントです。短い指示から少しずつ複雑な指示へとステップアップしていく構成になっているので、お子さんのペースに合わせて取り組んでみてください。
きいて うごこう プリント


「きいて うごこう」の前に知っておきたいこと

このプリントは、難易度の異なる3つのステップで構成されています。
最初は「ほんを だして ください」のような短い一文の指示。
次に「ふでばこをだしたら、えんぴつをもって、なまえをかいてください」のように複数の動作を順番にこなす指示。
最後に「あかぐみさんは〜、しろぐみさんは〜」といった条件によって行動が分かれる指示。
少しずつ難しくなっていく構成です。
耳から入った言葉を行動に変えるには、「聴覚的ワーキングメモリ」という力が関わっています。
これは、聞いた情報を頭の中で一時的に保持しながら処理する力のこと。
この力に苦手さがあるお子さんは、指示の前半を覚えているうちに後半が抜けてしまったり、順番を入れ替えてしまったりすることがあります。
特にASD(自閉スペクトラム症)のお子さんの中には、「自分に向けられた指示なのか」「全体への指示なのか」を判断するのが難しいケースもあります。
「あかぐみさんは〜」と聞いても、自分が白組であることと結びつけて「じゃあ自分はどうすればいいんだろう?」と考える――この一手間が、想像以上に難しいのです。
プリントに取り組むときは、まず一緒に文章を読んでみてください。
「先生はなんて言ってる?」「最初に何をするのかな?」と、お子さんが自分のペースで考えられるように声をかけてみましょう。
すぐに答えを教えるのではなく、「どこに書いてあるかな?」と文字に戻って確認できるようサポートしてあげると安心です。
順番を考える問題では、「まず何をする?」「そのつぎは?」と動作をひとつずつ区切ってあげるのが効果的です。指で文章をなぞりながら「ふでばこをだす→えんぴつをもつ→なまえをかく」と声に出して確認すると、頭の中で順序が整理されやすくなります。
条件分岐のある指示には、絵カードやイラストを使って「自分は今どっちかな?」と視覚的に確認するのもおすすめです。「あかぐみ/しろぐみ」「きゅうしょくとうばん/そのほか」といった分類を、見える形にしてあげると判断しやすくなります。
手元にすぐ使えるツールがあると、教室でも家庭でも応用しやすいです。
プリントが終わったら、実際の生活の中で似た場面を取り上げてみるのもいいですね。
「いま先生がなんて言ったか覚えてる?」と振り返るのではなく、「お母さんがこれから2つお願いするね。①〜と②〜」と前置きしてから伝えると、お子さんも構えて聞きやすくなります。
「聞いて動く」は、学校生活のあらゆる場面で求められるスキルです。
ですが、いきなり完璧にできる必要はありません。
プリントで小さな成功体験を積み重ねながら、少しずつ「聞けた」「できた」を増やしていけるとよいですね。
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FAQ
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