ひらがなを書きはじめる前に、「まっすぐな線が引けない」「鉛筆がふらふらしてしまう」と気になったことはありませんか。
文字の練習を急ぐよりも、まずは線をコントロールする力を育てておくと、そのあとの学習がぐんとラクになります。
線をうまく引けない背景には、目で見た形を手の動きに変換する「目と手の協応」の育ちや、力の入れ加減をつかむ感覚(固有覚)の育ちが関わっていることがあります。
やる気や集中力の問題ではなく、まだ体の使い方が育っている途中、という場合が少なくありません。
だからこそ、いきなり文字ではなく、線から順番に積み上げていくことが近道になります。
このページでは、運筆練習「せんを かこう」の全5種(直線・斜線・直角線・曲線・図形)をまとめています。
むずかしさの順に並んでいるので、上から順に取り組んでも、お子さんの様子を見て必要なところだけ選んでも大丈夫です。
1枚を上下に分けて使えるので、「今日はここまで」と量を調整しながら進めてみてください。
せんを かこう プリント(全5種)
どの種類も、線の始まりと終わりがはっきり示してあります。まずは「①直線」から、余裕が出てきたら「②斜線」「③直角線」「④曲線」へ、仕上げに「⑤図形」へと進んでみてください。①〜④は、鉛筆の持ち方イラスト付き・記名欄あり・記名欄なしの3タイプをご用意しています。
① 直線|せんを かこう(1)
2cm・3cm・5cmと、少しずつ長さがのびていく直線のプリントです。
短い線から始めることで「これならできそう」と感じやすくなります。


② 斜線|せんを かこう(2)
ななめの線を引く練習です。
まっすぐより手首の使い方がむずかしくなるので、線がゆれても「終わりの点まで行けたね」と着地をほめてあげてください。


③ 直角線|せんを かこう(3)
途中で向きを変える線の練習です。「曲がり角でいったん止まる」動きは、ひらがなの折れ・曲がりにそのままつながっていきます。


④ 曲線|せんを かこう(4)
ゆるやかなカーブから、だんだん深いカーブへと進む練習です。
4種類の中でいちばんむずかしいので、疲れているときは半分だけでも十分です。


⑤ 図形|せんを かこう(5)
①〜④で練習した線を組み合わせて、まる・さんかく・しかくなどの図形を書く仕上げのプリントです。
線がつながって形になる経験は、ひらがなの一画一画をつなげる感覚にそのままつながっていきます。


運筆れんしゅうの前に知っておきたいこと

このシリーズは、直線 → 斜線 → 直角線 → 曲線 → 図形 の順に並んでいます。
手首や指の動きが少ないものから、だんだん複雑な動きへと進み、最後にそれらを組み合わせる並びです。
どれか1種類だけを何度もくり返すより、少しずつ種類を変えていくほうが飽きにくく、力もつきやすくなります。
どのプリントにも、線の「始まり」と「終わり」の点がはっきり示してあります。
ゴールが目に見えていると、「どこまで書けばいいの?」という不安が減り、自分で判断して動き出しやすくなります。
見通しが立ちにくいお子さんほど、この手がかりが効いてきます。
線がまっすぐ引けない背景には、いくつかの要因が重なっていることがあります。
ひとつは「目と手の協応」、つまり目で見たゴールに向かって手を動かす力です。
もうひとつは「固有覚」と呼ばれる、力の入れ具合や手足の位置を感じ取る感覚で、これが育つ途中だと、鉛筆に強く力が入りすぎたり、逆に弱すぎたりします。
これは「ちゃんと見ていない」「集中していない」といった気持ちの問題ではありません。
体の使い方がまだ育っている途中、というだけです。
声をかけて直そうとするより、やさしい課題をくり返すほうが、結果的に近道になります。
鉛筆の持ち方は、言葉だけで伝えるのがとてもむずかしいところです。
「指をここに」「もっと寝かせて」と説明するより、大人が隣でゆっくり書いて見せるほうが伝わります。
見てまねる(模倣)ほうが、耳から入る指示より処理しやすいお子さんは多いです。
声かけは、線のきれいさではなく「動き」をほめる言い方にしてみてください。
たとえば「点から点まで、止まらずに行けたね」「さいごまでゆっくり書けたね」「今日は3本もできたね」。
線がはみ出していても、始点から終点に届いていれば、それは大きな一歩です。
プリントの余白を広めにとってあるのも理由があります。
びっしり問題が並んでいると、始める前から「多い」と感じて手が止まってしまうことがあるためです。
1枚を上下に切り分けて「今日はこっちだけ」と渡すと、さらに取りかかりやすくなります。
道具を変えるだけで、ぐっと書きやすくなることもあります。
三角軸の鉛筆や、太めで芯のやわらかい鉛筆は、指の位置が決まりやすく、軽い力でも線が出るので、力の加減がむずかしいお子さんに向いています。
滑り止めシートを机に敷いて紙が動かないようにする、紙をななめに置いて手首を動かしやすくする、といった小さな工夫も効果があります。
うまくいかない原因が「お子さん側」ではなく「環境側」にあることは、思っている以上に多いです。
それでも手が止まる日はあります。
そんなときは、無理に進めずに「今日は1本だけ」で終わりにしてかまいません。
運筆は毎日たくさんやるより、短くても続くほうが力になります。
5種類すべてができるようになったら、ひらがなの練習に進む準備が整っています。
あせらず、お子さんのペースで、ちいさくいっぽずつ進めてみてください。
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あわせていっぽ:運筆
今回のプリントとあわせて取り組んでみましょう!



