「歯みがきした?」「次は着替えだよ」「ランドセル準備した?」——朝から同じ言葉を10回繰り返して、こちらが先に疲れてしまう。声をかけるたびに子どもは固まり、こちらはイライラ。本当はガミガミ言いたくないのに、と毎朝自己嫌悪になっていませんか。
「次に何をするか」を口頭で覚えておくことは、子どもにとってとても負担の大きい作業です。特に発達特性のあるお子さんは、ワーキングメモリ(短期的に情報を保持する力)が弱かったり、見通しが立たないと不安で動けなくなったりすることがあります。「やる気がない」のではなく、脳の仕組みとして難しい状態になっているのです。
今日ご紹介するのは、口で言う代わりに「紙に任せる」ための無料プリント2種です。終わったら☆を塗る版と、○にチェックを入れる版の2枚構成。お子さんの好みや気分に合わせて選んでみてください。ラミネート加工+ホワイトボードマーカーを使えば、毎日書き換えて繰り返し使える仕組みになります。
やることリスト プリント


やることリストを使う前に知っておきたいこと

このプリントは2種類用意しています。1枚目は終わった項目の☆を塗る版、2枚目は○にチェックを入れる版です。塗ることが楽しいお子さんには☆版、シンプルにサクサク進めたいお子さんには○版が向いています。どちらか1枚だけでも、両方を気分で使い分けてもOKです。
そもそも子どもが「次の行動に移れない」のは、やる気の問題ではなく脳の特性であることが多いです。特にADHD(注意欠如・多動症)傾向のあるお子さんはワーキングメモリが弱く、「歯みがき・着替え・ランドセル準備」と3つ並べて伝えても、最後まで覚えていられません。ASD(自閉スペクトラム症)傾向のあるお子さんは見通しが立たない状況に強い不安を感じ、「次に何が起こるか分からない」だけで動けなくなってしまうこともあります。
つまり口頭での指示は、子どもにとってもっとも難易度の高い情報伝達方法。声を荒げるほど逆効果になりがちです。そこで効果的なのが「視覚化・外在化」になります。やることを紙に書き出して目に見える場所に置くだけで、脳の負担はぐっと減ります。
声かけのコツは、「歯みがきは?」と問い詰めるのではなく「リスト見てみよう、次なにかな?」と紙に意識を向けさせること。指示の主語を「親」から「リスト」に移すだけで、子どもの受け取り方がやわらかくなります。終わった項目に自分で☆を塗ったり○をつけたりさせると達成感が積み上がり、「自分でできた」という成功体験が次の行動への燃料になっていきます。
もうひとつ大切なのが、リストの最後に「好きなテレビを見る」「おやつ」など本人が楽しみにできる項目を必ず入れること。嫌なことばかりの連続にすると、リスト自体が苦痛のシンボルになってしまいます。ゴールに楽しみがあるだけで、子どもの動きはずいぶん変わってきます。
タブレットやゲームなど、切り替えが難しい項目にはタイマーを併用するのもおすすめです。「終わり」を音で明確に示すことで、「あと少し…」が延々と続くのを防げます。耳からの合図のほうが、口頭で「もう終わりだよ」と言うより本人も納得しやすくなります。
そしてこのプリントは、毎日書き換えて使う性質のもの。一度ラミネート加工しておくと、ホワイトボードマーカーでその日の予定を書き込んで、夜に拭き取って——を毎日繰り返せます。紙のまま使うと毎回印刷が必要になるので、ラミネーターが一台あると圧倒的に続けやすくなります。
ラミネートしたプリントに書き込むには、ホワイトボードマーカーが必須になります。100均でも手に入りますが、消えにくさや発色を考えると専用品のほうが長く使えてストレスが少ないです。細字・極細タイプだと、小さな枠の中にも書きやすくなります。
最初はうまくいかなくても大丈夫です。「リストを見る」という行動そのものが、子どもにとっては新しい習慣。慣れるまで2〜3週間はかかると思って、気長に取り組んでみてください。
「歯みがきは?」と100回言うより、リストを指さして「次なにかな?」と1回問いかけるほうが、お互いずっとラクになります。声が枯れる前に、ぜひ紙の力を借りてみてください。
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今回のプリントとあわせて取り組んでみましょう!




